2年生看護系クラスで「命と心の授業」をテーマに特別講座を実施しました

将来看護師になることを目指し日々の学習活動に取り組んでいる本校の特進文理コースの2学年の生徒を対象に、「仙台ターミナルケアを考える会」主催で「命と心の授業」をテーマにターミナルケアと宗教との関わりや、医療の現場での心のケアの取り組みを特別講義して頂きました。

1時間目は石上 節子 氏(元東北大学病院看護師長)による講義でした

テーマ:「浦島太郎の気持ち」(高齢者疑似体験プログラム) 高齢者の心と体の理解とホスピタリティマインドの育成

白内障体験メガネを着用し,視力が不自由になる体験,中にゴムボールを詰めたメガホンを耳にあて聞こえを遠くした上での伝言ゲーム,重いリュックを肩ではなく腰に下げ,動作が不自由になることを体験することで,高齢者の立場を理解した。またその理解に基づき,「もし自分が高齢者だったら」という視点で,してもらってうれしいこと,言われたら傷つくことをグループディスカッションを3班に分かれて実施。ホスピタリティマインドについて考えました。

2時間目は同じく石上先生による講義でした

テーマ:「命を考える」 -命には最期まで心がある- 緩和ケア病棟で命の最期を支える看護師の役割や、心に寄り添う大切さを考える

生命の誕生と同様に終末期の患者に関わることもまた看護師の大きな役割である。石上氏の緩和ケア病棟で働いた経験に基づく事例を聞くことで,機械的・物理的に患者を看護するだけでなく,患者個々人の生活背景にまで配慮しながら安らかに終末期を迎えさせてあげられる人間性・感受性・品性が問われる職業であることを実感できました。

最後の3時間目は、吉永 馨 氏(東北大学名誉教授)による講義でした。

テーマ:「死に備える」-ターミナルケアと宗教- 終末期において死への不安や苦痛を和らげる心のケアの取り組みを学ぶ

人は必ず死すがゆえに死についてあらかじめ考えておくべきであるという視点から,リビングウィルやエンディングノートなど死を考える機会を持つことの重要性を学ぶことができた。アメリカにおいてはリビングウィルは立法化されているが日本ではされていない。死について考える機会を持つことで命の重要性も理解できる。昨今の他人の命を容易に殺める少年犯罪も,命の大切さの理解のなさが原因であるという結論が印象的でした。

今般の講義で学んだ内容を、日ごろの学習活動に生かしていきたいと考えています。
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